企業感と新規上場リスク

株式を上場するかしないかを考える前に、考えて見たいことがあります。それは欧米と我が国との企業感です。我が国と欧米では企業感に大きな相違があります。欧米での創業は会社を大きくして売ることに一次的意味があります。我が国では会社を大きくして会社を支配することに創業の目的があります。我が国の永い歴史の中で勤め先は国(藩)であり売られることもなく終生勤めに励むことに意味がありました。勤め先を売ることは国(企業)を売ることで、あり得ないことなのです。

そのために株式を公開することに我が国と欧米には大きな考え方の相違があります。上場することは会社の一部を又は会社を他人に売却することで我が国の経営者の感覚では抵抗があるようです。大分、我が国も欧米化してきましたので創業者から投資家に会社が売られても抵抗も少なくなってきたと思います。しかし、我が国の、その企業感、意識が上場を遅らせ、企業の発展の阻害をします。株式会社は、他からの資本調達をやりやすくするための制度ですから、株式会社を設立した以上、その目的は上場と言っても過言では無いと考えます。
それにしても10年をかけて大きくした会社を他人に奪われてしまって喜ぶ創業者はおりません。そのために企業防衛の手段があるのです。上場すれば他人に乗っ取られるリスクはあります。しかし、ち密な防衛をすることで創業者の支配権を維持することも可能なのです。そのノウハウを持つか持たないかがIPOコンサルタントの力だと考えます。